いろいろな物を包める便利な風呂敷は、とても昔から
日本で使われてきました。
奈良時代にはすでに布で包む文化は始まっていたようですが、
その時代には正式なネーミングがなかったと言われています。
その後、室町時代に入って「風呂敷」と名付けられ、
広く使われるネーミングとなったのです。
語源は、室町時代の浴室に使われていた布だと
伝えられています。
当時は現代と異なる蒸し風呂でした。
浴室内の温度を均一に保つには、蒸気を室内に行き渡らせる
必要があったため、布が床に敷かれていたのです。
風呂に敷く布が、物を包んでいた布と似ていたため、
風呂敷と呼ばれるようになりました。
江戸時代に入ると、銭湯の文化が庶民へ浸透し、
着物や湯具をバッグのように風呂敷で包んで
持って行く使い方が広まります。
現代でも屋号や家紋などが入った風呂敷を見かけますが、
江戸時代の人々が、銭湯などで荷物の取り違えを防止する
ための対策として染めたのがきっかけとなったのです。
剣道着もきれいに包める
剣道をはじめ、道着を必要とする武道では、風呂敷が
良く使われています。
自宅から道着を着て道場や試合会場に行ければ問題ありま
せんが、学校の部活や会社帰りに行く場合は、バッグの
中に道着を入れて持ち運びます。
しかし、注意をしてたたんでも、取り出すとシワになって
しまうケースも少なくありません。
綺麗な状態で持ち歩くには、道着や袴は風呂敷に包んで
からバッグに入れるのが良いとされています。
なるべく布のサイズが大きな製品を選ぶのが、かさばり
やすい道着を上手に包むコツです。
1辺が90cmのものや、100cmのものなど大判サイズの
製品が向いているでしょう。
特に剣道着を包む場合には、防具袋などに入れて持ち
歩く場合も多いですから、厚手の綿製が型崩れしにくく
適していると言えます。
丁寧にたたむのが前提ですが、かなりコンパクトな状態
包んだり、丸めたりしても中身の剣道着がよれてしまう
心配がなくなるでしょう。